不動産を売却して利益(譲渡益)が出ると、その利益に対して税金がかかります。このとき税率を大きく左右するのが所有期間で、5年を境に「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分かれ、税率はおよそ2倍も変わります。
本記事では、不動産の長期譲渡所得とは何かを軸に、税率20.315%の内訳、譲渡所得の計算式、短期譲渡所得との違い、取得費が分からないときの対処、マイホームを売ったときに使える特例まで、国税庁の情報をもとに正確に解説します。京都で不動産売却・買取を専門に扱う株式会社トライアセットが、実務の視点も交えてわかりやすくまとめました。
不動産の長期譲渡所得とは
長期譲渡所得とは、土地や建物などの不動産を売却したときの利益(譲渡所得)のうち、その不動産の所有期間が5年を超えている場合の所得をいいます。所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」と呼ばれ、長期と短期では適用される税率が大きく異なります。不動産の譲渡所得は給与所得などとは合算せず、単独で税額を計算する「分離課税」の対象です。そのため、いくらの利益が出て、それが長期か短期かによって、納める税金の額が決まります。
所有期間「5年」の正しい数え方
ここで最も注意したいのが、所有期間の数え方です。長期か短期かは、実際に売買契約をした日ではなく、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判定します。たとえば2020年6月に購入した不動産を2025年8月に売却した場合、実際に持っていた期間は約5年2か月ですが、判定の基準は売却年(2025年)の1月1日。この時点では約4年7か月しか経っておらず、5年を超えていないため短期譲渡所得になってしまいます。長期譲渡所得として20.315%の税率を適用するには、この例なら2026年1月1日以降に売却する必要があります。「購入から5年経ったから大丈夫」と考えて売却すると、思わぬ高税率になることがあるため、1月1日を基準に5年超という点は必ず押さえておきましょう。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率の違い
長期譲渡所得の税率は20.315%、短期譲渡所得の税率は39.63%です。同じ利益でも、長期か短期かで税額はおよそ2倍変わります。それぞれの内訳は次のとおりです。
| 選択肢 | 特徴・ポイント |
|---|---|
| 長期譲渡所得 | ・所有期間:売却年の1月1日時点で5年超 ・税率:20.315% ・内訳:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% ・税負担が軽く、売却に有利 |
| 短期譲渡所得 | ・所有期間:売却年の1月1日時点で5年以下 ・税率:39.63% ・内訳:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9% ・税負担が重く、長期より約2倍 |
復興特別所得税は、2037年(令和19年)まで所得税額に対して2.1%が上乗せされるものです。長期の所得税15%に対して0.315%、短期の所得税30%に対して0.63%が、それぞれ合計税率に含まれています。
| 区分 | 所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|---|
| 長期(5年超) | 15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
| 短期(5年以下) | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
譲渡所得(売却益)の計算方法
税率を掛ける前に、まず課税の対象となる譲渡所得そのものを計算する必要があります。譲渡所得は売却価格そのものではなく、そこから取得にかかった費用などを差し引いた「もうけ」の部分です。計算式は次のとおりです。
- 譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額
- 譲渡価額:売却して得た金額
- 取得費:購入代金や購入手数料、建物の場合は減価償却後の金額など
- 譲渡費用:仲介手数料、印紙税、測量費、解体費など売却に直接かかった費用
- 特別控除額:マイホームの3,000万円特別控除など、条件を満たす場合に差し引ける額
こうして求めた譲渡所得(課税譲渡所得金額)に、長期なら20.315%、短期なら39.63%を掛けたものが納める税額です。注意したいのは、譲渡所得がマイナス(売却損)になる場合は譲渡所得税がかからないという点です。バブル期より前から持っている不動産や、地価が下がったエリアでは、売却価格より取得費のほうが高く、税金が発生しないケースも珍しくありません。
取得費が分からないときは「概算取得費」
古い不動産や相続した不動産では、購入時の契約書や領収書が見つからず、取得費がいくらか分からないことがよくあります。その場合は、譲渡価額の5%を取得費とみなす「概算取得費」を使うことができます。たとえば3,000万円で売却した場合、取得費は3,000万円×5%=150万円として計算します。ただし実際の購入額がこれより高かったとしても、証明できなければ5%しか認められないため、譲渡所得が大きく算出され、税額も高くなりがちです。購入時の売買契約書や領収書、当時の通帳の記録、住宅ローンの書類などが残っていれば、実際の取得費として認められる可能性があります。売却を検討する際は、まず関係書類を探しておくことが節税の第一歩です。

計算例で見る長期譲渡所得の税額
具体的な数字で見てみましょう。所有期間が10年(長期)の土地建物を4,000万円で売却し、取得費が2,000万円、譲渡費用(仲介手数料など)が200万円だったとします。マイホームの特別控除は使わないケースです。譲渡所得 = 4,000万円 −(2,000万円 + 200万円)= 1,800万円。税額 = 1,800万円 × 20.315% = 約365万円です。仮に同じ条件で所有期間が5年以下(短期)だった場合は、1,800万円 × 39.63% = 約713万円となり、税額は約348万円も増えてしまいます。所有期間の判定がいかに重要かが分かります。
マイホーム売却で使える主な特例
自分が住んでいた家(居住用財産)を売る場合は、税負担を大きく軽減できる特例があります。長期譲渡所得の知識とあわせて知っておくと、納税額に大きな差が出ます。
マイホームを売ったときの3,000万円特別控除
マイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間の長短にかかわらず、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。たとえば譲渡所得が2,500万円でも、3,000万円特別控除を使えば課税対象は0円となり、譲渡所得税はかかりません。多くのマイホーム売却では、この控除によって税金がかからなくなるケースが多いのが実情です。住まなくなった日から3年を経過する年の年末までに売ること、親子や夫婦など特別な関係者への売却でないことなど、いくつかの要件があります。
10年超所有の軽減税率の特例
売却年の1月1日時点で家屋と敷地の所有期間がともに10年を超えるマイホームを売る場合は、通常の長期譲渡所得よりさらに低い税率が適用される「軽減税率の特例」を使えます。具体的には、課税譲渡所得のうち6,000万円以下の部分に対して、所得税10%+復興特別所得税0.21%+住民税4%の合計14.21%という低い税率が適用されます(6,000万円を超える部分は通常どおり20.315%)。この10年超の軽減税率は、前述の3,000万円特別控除と併用できるのが大きなメリットです。
相続した不動産の所有期間と取得費
相続で取得した不動産を売る場合、所有期間や取得費は被相続人(亡くなった方)から引き継ぐのが原則です。つまり、相続した日からではなく、亡くなった方がその不動産を購入した日を起点に所有期間を計算します。そのため、親が長く所有していた実家を相続後すぐに売っても、被相続人の取得日を引き継ぐことで長期譲渡所得(20.315%)が適用されるケースが多くなります。取得費も被相続人が購入したときの金額を引き継ぎ、それが不明な場合は概算取得費5%を使います。相続税を納めた方は、取得費加算の特例で取得費を上乗せできる場合もあります。
不動産売却から納税までの流れ【5ステップ】
査定・売却方針の決定
不動産会社に査定を依頼し、おおよその売却価格を把握します。同時に、長期譲渡所得になるか短期になるか、所有期間を確認して売却時期を検討します。
売買契約・引き渡し
仲介の場合は買主を探して売買契約を結び、決済・引き渡しを行います。買取の場合は不動産会社が直接買い取るため、スピーディに現金化できます。
譲渡所得の計算
売却価格から取得費・譲渡費用を差し引き、譲渡所得を計算します。取得費が分かる書類を集め、概算取得費を使うかどうかも判断します。
特例の適用と税額の確定
マイホームの3,000万円特別控除や10年超の軽減税率など、使える特例を確認して課税譲渡所得と税額を確定させます。
確定申告・納税
売却した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行い、所得税と復興特別所得税を納めます。住民税は申告後に通知され、後から納付します。利益が出ていなくても、特例を使う場合は申告が必要です。
不動産売却の税金も相談できる京都の不動産会社
長期譲渡所得かどうかの判定や特例の活用は、売却の進め方そのものと密接に関わります。「いつ売れば長期譲渡所得になるのか」「この物件にどの特例が使えるのか」を判断するには、税制の知識に加えて売却実務の経験が欠かせません。京都で不動産売却・買取を専門に扱う株式会社トライアセットなら、売却価格の査定はもちろん、所有期間や税金を踏まえた売却タイミングのご相談にも対応します。相続物件や空き家、訳あり物件など難しいケースの実績も豊富です。
1.株式会社トライアセット

株式会社トライアセットは、京都市中京区に本社を置く不動産売却・買取の専門会社です。仲介と買取の両方に対応し、相続した実家、空き家、古家、長屋、再建築不可や訳あり物件など、一般の不動産会社が敬遠しがちな物件の売却を数多く手がけてきました。「売却するとどのくらい税金がかかるのか」「長期譲渡所得になるよう売却時期を調整すべきか」といった税金まわりのご相談にも、売却の実務に即した視点でお答えします。
秘密厳守・スピード対応を徹底しており、ご近所に知られずに売りたい、急いで現金化したいといったご希望にも柔軟に対応します。税額の試算や売却の進め方を含め、無料査定からお気軽にご相談ください。
- 京都の不動産売却・買取に特化した地元密着の専門会社
- 仲介・買取の両方に対応し、状況に合った最適な売り方を提案
- 相続・空き家・古家・長屋・訳あり物件の売却に強い
- 税金や売却時期の相談にも実務目線でアドバイス
- 秘密厳守・スピード対応で安心して任せられる
| 会社名 | 株式会社トライアセット |
|---|---|
| 公式HP | 公式サイトで査定依頼 > |
| 所在地 | 京都市中京区釜座町22 ストークビル三条烏丸207 |
| 営業時間 | 10:00〜19:00(定休:日・祝) |
| 電話番号 | 075-741-8970 |
| 特徴 | 京都の不動産売却・買取専門 / 仲介・買取の両対応 / 秘密厳守・スピード対応 / 相続・空き家・狭小地・古家・長屋・訳あり物件に強い |
よくある質問(Q&A)
Q. 長期譲渡所得と短期譲渡所得は何が違いますか?
A. 所有期間と税率が違います。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得で税率20.315%、5年以下なら短期譲渡所得で税率39.63%です。同じ利益でも税額はおよそ2倍変わります。
Q. 所有期間の5年はいつから数えますか?
A. 購入した日から、売却した年の1月1日までの期間で数えます。実際の売買契約日ではなく「売却年の1月1日時点」で5年を超えているかどうかが判定基準です。年末に売るか年明けに売るかで長期・短期が変わることもあるため注意が必要です。
Q. 購入時の契約書がなく取得費が分かりません。どうなりますか?
A. 取得費が不明な場合は、売却価格の5%を取得費とみなす「概算取得費」を使えます。ただし実際の購入額が5%より高くても証明できなければ認められず、譲渡所得が大きく算出されて税額が高くなりがちです。まずは契約書や領収書、当時の通帳などを探すことをおすすめします。
Q. 相続した実家を売ると長期譲渡所得になりますか?
A. 多くの場合は長期譲渡所得になります。相続した不動産は、亡くなった方(被相続人)の取得日を引き継いで所有期間を計算するためです。親が長く所有していた実家なら、相続後すぐに売っても所有期間5年超を満たすことが多くなります。
Q. 売却で利益が出なくても確定申告は必要ですか?
A. 利益(譲渡所得)が出ていなければ、原則として譲渡所得の確定申告は不要です。ただし、マイホームの3,000万円特別控除などの特例を使う場合や、売却損を他の所得と通算する特例を使う場合は、利益の有無にかかわらず確定申告が必要です。
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まとめ:長期譲渡所得を理解して有利に売却を
不動産の長期譲渡所得は、売却年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合の所得で、税率は20.315%。5年以下の短期譲渡所得39.63%と比べて税負担がほぼ半分になります。所有期間は契約日ではなく「売却年の1月1日」で判定する点、取得費が不明なときは概算取得費5%を使える点、相続では被相続人の取得日を引き継ぐ点が、間違えやすい重要ポイントです。さらに、マイホームなら3,000万円特別控除や10年超の軽減税率(6,000万円以下の部分は14.21%)といった強力な特例があります。
自分のケースで長期になるのか、どの特例が使えるのかを正確に判断するのは簡単ではありません。京都で不動産売却・買取を専門に扱う株式会社トライアセットなら、査定から売却時期・税金の相談までトータルでサポートします。まずは無料査定で売却価格を把握し、最適な売却プランを一緒に考えていきましょう。











